ローラ・インガルス・ワイルダーは「小さな家」シリーズを出版する以前に、回想録「パイオニア・ガール」を執筆しています。これはインディアン・テリトリーの暮らしからローラの結婚までを一人称で書いた大人向けのノンフィクションです。この原稿は出版できずに終わりました。このブログでは、その「パイオニア・ガール」を紹介しています。 ここでは二つの「パイオニア・ガール」を扱っています。一つはバイ版と呼ばれるもので娘のローズ・ワイルダー・レインが添削したものです。ページのタイトルがPGで始まっています。バイ版は出版されていません。 もう一つは下書き原稿の「パイオニア・ガール」で、2014年秋に注釈付きで出版されました。添削されていないため事実にいちばん近いと考えられています。ページのタイトルはPGHで始まっています。
注目の投稿
PGH キャップ&フローレンス・ガーランド DK12
ローラの学校の先生だったフローレンス・ガーランドは、1880年当時、18歳で、デ・スメットの公立学校の最初の教師でした。その学校は資材も労働も、町の人々のボランティアによってたてられたもので、先生の給料はひと月に20ドルでした。 フローレンスは1887年に材木商だったチャールズ...
2013年11月23日土曜日
PG1 カンザスの料理用ストーブ
「大草原の小さな家」では、カンザスの丸太小屋でかあさんは、暖炉で煮炊きをしています。十九世紀の開拓記念館の暖炉で料理したことありますが、ロマンチックなんてもんじゃない。すっごく大変で、料理用ストーブの方が何倍も楽です。だから、「大きな森」では料理用ストーブがあったのに、カンザスでは時代をさかのぼった生活に逆戻りして、文明好きのかあさんは不満だっただろうなと思っていました。でも、「パイオニア・ガール」によると、とうさんはインデペンデンスにガラス窓を買いに行った時に、ストーブも買って帰っています。さすがとうさん! 料理用ストーブって重たくて、運ぶだけでもひと苦労なのに。
それにしても、そのストーブ、カンザスを去る時にどうしたのでしょう? けっこう高い買い物だったと思いますが。
「大草原の小さな家」の初版は、カンザスの大草原には、「野生の動物たちが気ままに歩き回っていて、人(people)は一人も住んでいなかった、インディアンだけがいた」となっています。刊行から二十年近く経ってから「インディアンは人間ではないのですか?」とクレームがついて、「人」が「移住者」(settlers) に書き直されました。ワイルダーも非を認めています。
「パイオニア・ガール」でも初版の「大草原の小さな家」と同じように描かれています。
ラベル:
パイオニア・ガール