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PGH キャップ&フローレンス・ガーランド DK12

ローラの学校の先生だったフローレンス・ガーランドは、1880年当時、18歳で、デ・スメットの公立学校の最初の教師でした。その学校は資材も労働も、町の人々のボランティアによってたてられたもので、先生の給料はひと月に20ドルでした。 フローレンスは1887年に材木商だったチャールズ...

2013年12月23日月曜日

PG7 クマの肉

「大きな森の小さな家」には、真夜中にブタがキーキーなく声で目を覚ましたとうさんが外へ飛び出すと、ブタの囲いのそばに大きな黒クマが立っていて、とうさんはすぐに発砲したものの、クマは無傷で森へ逃げ込んでしまいました。そのときローラは「クマをしとめられなくて残念だった、クマ肉が大好きだったのに」と言っています。 同じような話が「パイオニア・ガール」にもあって、やはり「肉を逃した」と述べています。

ある女性は、小学生のときにこのくだりを読んで、ローラの反応に「吹いた」と言っていたけど、気持ちはわかります。 今の私たちなら、「とうさんが無事で良かった」って思うでしょうから。うちの庭先にクマがいたら腰が抜けそうです。 肉のことなんて考える余裕なんてありません。  やっぱり時代が違うとつくづく思います。
ワイルダーが成長するにつれて野生動物は姿を消してしまいました。ワイルダーにとってクマ肉は幼い頃の想い出の味なのでしょう。


それにしても、作家のワイルダーも物語のローラも、性格や食の嗜好が肉食系だな〜と思うのは私だけだろうか? 






2013年12月17日火曜日

PG6 オーセージの族長

「大草原の小さな家」には、インディアンが行列になってカンザスを去る話があります。仲間を説き伏せて、白人との闘いをとめた族長ソルダ・ドュ・シェーヌが先頭を行き、そのあとに男たちが、最後に女と子どもたちが続きました。ローラは色とりどりの子馬に夢中になり、インディアンの赤ん坊が欲しいとだだをこね、とうさんとかあさんに叱られるというものです。

「パイオニア・ガール」にも似たような話がありますが、ときの声のとき同様、ここでもソルダ・ドュ・シェーヌは登場しません。

ほんとうにソルダ・ドュ・シェーヌはいたのでしょうか? それともワイルダーの創作でしょうか? ワイルダーは講演で、この族長の名前がわからなかったので、専門家に問い合わせたと言っていますが・・・。


1.彼はまったくの創作の人物、
2.闘いを止めたわけではないが実在の人物なので、話を面白くするために使った、    
3.実在の人物でほんとうに闘いをとめた、

果たしてこのうちのどれなのでしょう?


注釈付きの「パイオニア・ガール」には、どのような注釈がつくのか興味津々です。

2013年12月7日土曜日

PG5 ベンダー殺人宿

ワイルダーは1937年にデトロイトで行なった講演で、ベンター一家の殺人宿について述べています(「大草原のおくりもの」に収録)。インデペンデンスへ行く途中にベンダーの宿があり、客が食堂のテーブルに座って食事をしていると後ろから重いハンマーで頭を打ち砕かれた、とうさんは馬に水をやるためにそこに立ち寄ったが中には入らなかったので助かった、地下室や庭からは多くの遺体が発見され、とうさんは自警団にも加わったと語っています。これと同じ話が「パイオニア・ガール」にもありますが、これはワイルダーの創作かもしれないと 言われています。

ベンダーの殺人宿は実在しましたが、宿があったのは隣の郡で、インデペンデンスに行く途中ではありません。それにベンダーがカンザスに居たのは1871年からで、インガルスは1870年の秋にすでにカンザスを去っています。ですから、インガルスとベンダーの滞在時期は重なっていません。

アメリカ人のファンの多くは、ローズがこの話をどこからか持ち出して来たのではないかといっていました (都合の悪いことはローラではなくローズのせいにされる!  Poor Rose! )。どちらが持ち出したにせよ、 歴史上の事実と照らし合わせると、創作に軍杯が上がりそうです。 そうなると、 回想録と言われている「パイオニア・ガール」にしても、どこまでが事実なのだろうという疑問がわいてきますね。

ベンダーについて詳しく知りたい方はこちらへ。






2013年12月6日金曜日

PG4 カンザスのクリスマス

「大草原の小さな家」には、大雨の中をインデペンデンスまで四十マイルも歩いて行ったエドワーズさんが、サンタクロースとばったり出会い、ローラとメアリーへのプレゼントを預かってきた話があります。水かさの増したクリークを泳いでエドワーズさんが届けてくれたのは、ブリキのカップとハッカのキャンディ、ハート型のお菓子、それから1ペニー硬貨でした。
「パイオニア・ガール」でもほぼ同じような話がありますが、届けてくれたのはエドワーズさんではなく別の人でした。

ローラたちがもらったハッカのキャンディーは、おそらくペニーキャンディーと呼ばれる包装されていない安価のキャンディーで、はかり売りされていました。

「小さな家」シリーズの中でも、エドワーズさんと迎えたクリスマスは私の好きなクリスマスで、エドワーズさんファンとしては、この話が本当にあったものかどうか気になります。「小さな家」にも「パイオニア・ガール」にもある話だから、事実ではないかとは思うけれど、ほんとうのところはわからない・・・。わからないから気になる・・・。注釈付きの「パイオニア・ガール」が出版されたら、 どんな注釈がついているか確かめたい箇所の一つです。

2013年12月1日日曜日

PG3 ヒョウと黒人医師

「大草原の小さな家」には、夜中にスコットさんの家から悲鳴が聞こえたのでとうさんが心配になって様子を見に行くと、実はヒョウの鳴き声だったという話があります。「パイオニア・ガール」では、スコットさんではなく別の人でした。

「大草原の小さな家」では家族が病気になった時、タン先生という黒人の医師にみてもらいました。ローラはタン先生を温かなお医者さまのように描いていますが、 「パイオニア・ガール」では黒人をはじめてだったのでローラは怖かったようです。

実在のインガルスの聖書には、キャリーがカンザスで生まれたと記されています。「パイオニア・ガール」によれば、キャリーを取り上げたのは、黒人の医師とその女性でした。ゾカートの「ローラ・愛の物語」」にもあるように、キャリーの生まれた日、とうさんとローラとメアリーは朝からインディアンのキャンプに行っていて、二人は持ち帰ったきれいなかざり玉で赤ちゃんのために首飾りを作ってあげました。


福音館書店の「大草原の小さな家」には、 ローラとメアリーが、別々に首飾りを作っているイラストがあります。 講談社の小さな家の翻訳家 の方と話していたら、 「あれは間違い。二人は一つの首飾りを一緒に作っていたはず」 とおしゃっていました。 原書を読むとはっきりするけど、私もそう思います。プラムクリークの村のパーティーのイラストでも、ローラは裸足のはずなのに靴を履いていたりして、 ガース・ウィリアムズのイラスト
にはいくつかポカがあるけど、 やっぱりこの人のイラストはあったかくて好きです。


それにしても、とうさんは隣人のために一人で真夜中に駆けつけるなんて、 もしものことがあったらとは 思わなかったのかなあ〜? と思います。  まあ、そういうところが格好いいといえばいいんですけど。でも、かあさんは穏やかではいられなかっただろうし、家族が遺されたとしたら死活問題だから、無責任といえば無責任かもしれない。