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PGH キャップ&フローレンス・ガーランド DK12

ローラの学校の先生だったフローレンス・ガーランドは、1880年当時、18歳で、デ・スメットの公立学校の最初の教師でした。その学校は資材も労働も、町の人々のボランティアによってたてられたもので、先生の給料はひと月に20ドルでした。 フローレンスは1887年に材木商だったチャールズ...

2014年1月18日土曜日

PG15 ゴーファー

「大草原の小さな家」ではゴーファーはローラたちの遊び相手でしたが、畑を荒らす彼らは頭の痛い存在でもありました。「パイオニアガール」によると、今の動物愛好家が知ったら、眉をひそめることもしていたようです。


人間は万物を支配するという西洋人の自然観は、旧約聖書の創世記の影響と言われています。そのせいか、アメリカ人の書いたワイルダーの伝記や記事を読んでいると、「大自然を征服する」という言葉をよく見かけます。アメリカは「明白なる神意」のもとに、大自然を破壊して成り立った国で、「小さな家」をアメリカ史ととらえていますから、今でも「大自然の征服」を肯定しているのかな、と思うことがあります。  


「小さな家」をどうとらえるかは、個人でも違うし、日本人とアメリカ人でも違うし、アメリカ人でも白人と先住民とでも違います。違って当然ですが、ワイルダー関連の文章の中で「大自然を征服する」という言葉をためらいなく使っているのにぶつかると、彼らとの間に深い溝を感じます。「この楽しき日々」の中で、ローラは野生の動物たちが自由に歩き回っている在りし日のアメリカを思い浮かべて、大自然を征服してきた在り方に疑問を感じているのに、彼らはそうは取らないのかなとも思います。


でも、溝を感じるのはお互いさまかもしれない。ワイルダー学会である有名な研究者と話していた時、「西洋人の自然観を知らなかった頃、私は小さな家を大自然と融合した生活を描いた作品だと思っていた」と言ったら、目をまん丸にしていました。