シルバーレイクの飯場に着いたインガルスは、新しい掘立小屋で暮らし始めます。
そのときとうさんは、「陶器の人形を飾らないのかね」と「シルバーレイクの岸辺で」は、かあさんに尋ねていますが、「パイオニアガール」では尋ねていません。
羊飼いの陶器の人形は、「小さな家」シリーズの中で重要な役目を担っています。けれども、「パイオニアガール」には、陶器の人形はいっさい出てきません。
今回、出版された下書き原稿の「パイオニアガール」だけでなく、ブランディッド版にもブランディッド改訂版にもバイ版にも陶器の人形は登場しません。
1943年にワイルダーは「陶器の人形はキャリーが持っています」と、子どもたちへの手紙に書いています。その言葉どおり、キャリーの他界後、遺品の中から陶器の人形が見つかって、それがかあさんの陶器の人形ではないかと言われています。その人形はブラックヒルズのミュージーアムに展示されていて、日本で刊行されている写真集には、その人形の写真が載っています。
人形の写真はこちらからご覧いただけます。けれども、この人形も謎に包まれています。
はたして陶器の人形は実在したのでしょうか? それともワイルダーとレインの創作でしょうか? もし実在したのなら、この写真の人形がそうなのでしょうか?